ENDOCRINE DISEASE内分泌疾患

様々な症状があるために疑ってかからないと診断がつかない病気です。放置すると命を落とすこともあります。

SYMPTOMSこんな症状はありませんか?

• 水をよく飲む         • 多尿である      • 多食ぎみ
• 食べていないのに太っている  • 肝臓の数値が高い   • 高脂血症
• 食べているのに痩せてきた   • 皮膚病になりやすい  • 脱毛
• 寝てばかりいる        • 体を痛がる
• お腹がふくらんでいる     • 攻撃的になった   

• 水をよく飲む
• 多尿である
• 多食ぎみ
• 食べていないのに太っている
• 肝臓の数値が高い
• 高脂血症
• 食べているのに痩せてきた
• 皮膚病になりやすい
• 脱毛
• 寝てばかりいる
• 体を痛がる
• お腹がふくらんでいる
• 攻撃的になった

犬と猫の内分泌腺の場所

犬内分泌線

猫内分泌線

DOG DISEASE犬で考えられる病気

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

原因

副腎から出されるステロイドホルモンの分泌過剰によって起こります。
脳の下垂体が腫瘍化するの場合と副腎の腫瘍化する場合があります。

症状

多飲多尿、多食、腹囲膨満、再発する皮膚炎、左右対称性脱毛など
粘液嚢腫や難治性糖尿病の際、基礎疾患に副腎皮質機能亢進症がないか検討します。

下垂体性副腎皮質機能亢進症エコー

治療

下垂体性 内科療法
副腎性  手術が望ましい

飼い主さんが副腎機能亢進症を疑いやすい症状は?

水をたくさん飲むという症状が出やすい病気です。水飲む量が多いなと思った時には、計量カップで1日の飲水量を数日間測ってみましょう。1日あたり100 x 体重(kg)mlより多く水を飲む場合、多飲と判断されて病気の可能性があります。多飲になる病気はその他にもあるので、診察に行く際には採尿して病院に尿を持参するといいでしょう。(容器や採尿方法などは事前に動物病院に相談しましょう。当院では排尿してすぐ採尿した尿の場合は、2時間以内であれば検査可能と判断しています)

甲状腺機能低下症

原因

甲状腺ホルモンが欠乏してしまうためにおこります。
自己抗体が検出される甲状腺炎の場合と原因不明の甲状腺萎縮で起こる場合があります。

症状

寝てばかりいるようになった、太りやくすなった、左右対称性脱毛、軽度貧血など

治療

ホルモン補充療法

euthyroid sick syndrome(ユーサイロイドシック症候群)

甲状腺以外の疾患によって血中甲状腺ホルモン濃度が低下する病態です。甲状腺ホルモンの低下が起こりますが、2次的なもので、甲状腺機能低下症と分けて考える必要があります。
甲状腺のエコーが鑑別の補助になります。

甲状腺機能低下症エコー

原発性上皮小体機能亢進症

原因

上皮小体が腫瘍化し、上皮小体ホルモンが過剰に分泌するために起こります。

症状

高カルシウム血症による症状が出ます。元気消失、食欲低下、震え、嘔吐、下痢、便秘など

治療

根治を目指すには外科手術が望まれます。

上皮小体機能亢進症エコー


上皮小体機能亢進症はまれな病気ですが、放置すると腎不全、膀胱結石などの症状が出てきます。当院では健診で見つかることも多い病気です。

CAT DISEASE猫で考えられる病気

甲状腺機能亢進症

原因

甲状腺の良性、悪性変化により甲状腺ホルモンが過剰分泌されるために起こります。

症状

食べているのに痩せていく、活動生の亢進、嘔吐、下痢など、進行すると食欲不振が出てきます。
合併症として高血圧、心臓病などがあります。

甲状腺機能亢進症エコー

治療

内科療法 食事療法、抗甲状腺薬など
外科療法

飼い主さんが甲状腺機能亢進症を疑いやすい症状は?

食べているのに痩せきてた、夜中暴れているなどです。甲状腺機能亢進症の場合、高血圧や心臓病に関係したり、腎臓に負担をかける可能性があるので、当院では積極的に診断しています。高齢の猫の5%未満が罹患しているという報告もあり、高齢猫の比較的多い病気です。上記以外の症状も出る場合があるので、心配な方はご相談ください。

糖尿病

多飲猫

原因

膵臓からのインスリン分泌不足や組織でインスリンが利用しにくい状況によって高血糖が生じ、様々な異常が起こります。
膵炎、感染などが基礎疾患によりインスリンが効きにくい状況が起こるため、基礎疾患を探すことも重要です。

症状

多飲多尿、食べているのに痩せてきたなど
進行するとケトアシドーシスの状態になり、元気消失、食欲不振、嘔吐、下痢、脱水などを起こし、
治療しないと致死的な状態になります。

治療

インスリン療法、食事療法、基礎疾患の治療など

糖尿病を早く気づくためには?

高血糖が続くとおしっこがたくさん出るようになるので、体がバランスを保とうと飲水量も明らかに増えます。多飲多尿がある場合には、病院を受診した方がいいでしょう。進行するとケトアシドーシスの状態となり、食欲低下などが起きてきます。この場合には入院での治療になるので、ケトアシドーシスになる前に早めに病院に病院を受診しましょう。

FEATURE当院の特徴

適切で適度な検査治療

内分泌疾患は、一見その病気と分かりにくいことが多く診断治療が遅れがちです。別の病気で来院した際にも内分泌疾患の可能性があると判断した場合、検査治療するかをご家族に相談しています。ご家族によって考え方はそれぞれです。ご家族の意見を尊重することを大事にしています。