犬の白内障ってどんな病気?
犬も人と同じように白内障になることがあります。白内障は目の中の水晶体が白く濁る病気で、視力に影響を与えるため、放置すると日常生活に支障が出ることもあります。ここでは「犬の白内障」の症状から原因、治療法、予防の工夫まで、飼い主さんに役立つ情報をまとめました。 
犬の白内障の主な症状
白内障になると、犬の目は白っぽく濁って見えるのが特徴です。特に暗い場所で物にぶつかったり、階段の上り下りを怖がったりするようになります。
代表的な症状は以下の通りです
- 目が白く濁って見える
- 物や人にぶつかることが増える
- 光に対してまぶしそうにする
- 目を細めたり、こすったりする
- 視力低下による不安から、動きが減る
初期の白内障は飼い主さんも気づきにくいことが多いです。定期的な健康診断が重要です。
犬の白内障の主な原因
犬の白内障にはいくつかの原因があります。
- 加齢性:シニア期の犬に多く見られる自然な変化
- 遺伝性:若い犬でも発症することがあり、特定の犬種(トイプードル、ミニチュア・ダックスフンド、柴犬など)に多い
- 糖尿病:血糖値の異常によって急速に白内障が進行することがあります
- 外傷や炎症:目のケガやぶどう膜炎などがきっかけになることも
特に糖尿病性白内障は進行が早く、数日〜数週間で視力が失われる場合があるため注意が必要です。
動物病院を受診する目安
以下のようなサインが見られたら、早めに動物病院で診てもらいましょう。
- 目が白く濁ってきた
- 最近よく物にぶつかる
- 階段や暗い道を怖がる
- 瞳の奥に異変を感じる
- 糖尿病を指摘されている
「まだ元気そうだから」と様子を見てしまうと、手遅れになることも。特に糖尿病の犬はすぐに相談してください。
犬の白内障の診断・検査

動物病院では、以下のような検査を行って白内障かどうかを判断します。
- 視診・眼科検査:目の濁りや視覚反応を確認
- 眼圧測定:緑内障がないか確認
- 眼底検査:網膜など奥の状態をチェック
- 血液検査:糖尿病や全身疾患との関連を調べる
白内障に見えても、実際には別の病気(核硬化症など)の場合もあるため、正確な診断が大切です。
犬の白内障の治療・家庭での対応
白内障の治療にはいくつかの方法があります。
- 点眼薬・内服薬:根本的に治すことはできませんが、進行を遅らせるために使われることがあります。
外科手術(白内障手術):最も有効なのは、濁った水晶体を取り除き人工レンズを入れる手術です。成功率は高いですが、全身麻酔が必要になります。
ご家庭でできること(手術が難しい場合や進行した後は、生活環境の工夫が大切です)。
- 家具の配置を変えない
- 床に段差や障害物を置かない
- 夜は照明を明るめにする
犬の白内障の予防・日常生活での注意点
完全に予防することは難しいですが、進行を遅らせたり、生活の質を保つ工夫はできます。
- 定期的に動物病院で健康診断を受ける
- 糖尿病や肥満を予防する
- 目を守るために過度な紫外線を避ける
- 見えにくくなった犬には、声をかけて安心させる
「早期発見・早期対応」が、犬の白内障のカギです。
FAQ(よくある質問)
Q1. 犬の白内障は自然に治りますか?
A. 残念ながら自然に治ることはありません。進行を止めるためには治療や管理が必要です。
Q2. 手術を受けないと失明しますか?
A.必ずしも全ての犬が失明するわけではありませんが、進行すると視力を失う可能性があります。手術が唯一の根本治療です。
Q3. 手術は何歳までできますか?
A.年齢よりも全身状態が大切です。シニア犬でも健康であれば可能な場合があります。
Q4. サプリや点眼薬で予防できますか?
A.劇的な効果は期待できませんが、進行を遅らせるサポートとして使われることがあります。
まとめ

犬の白内障はよくある目の病気ですが、早期に気づいてあげることがとても大切です。目の濁りや見えにくさのサインを感じたら、自己判断せず動物病院で診てもらいましょう。
コトー動物病院では、犬の白内障に関する検査・治療・生活相談を行っています。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。